投稿

人はどこまでも未完成

人はどこまでも未完成。 この気持ちを大切にしたい。周りから学ぶ事を忘れずにいたい。そう思えるようになりました。 業務でトラブルを起こした部下に事情を聞きました。彼は、反省の弁を口にしながらも、そうするしかなかった、と吐き出すように言った本音の言葉に、やっと気がつきました。知らない間に彼を追い詰めていた。そうだったのか、俺も気づかなくて悪かった。そう思いながらも、素直に言えませんでした。 最近、営業課長に抜擢された若い敏腕営業マンとの話。 彼は優秀だけど、部下にキツく当たる。本人もそれに気づいているが、どうしたら良いのか分からないそう。彼に問われた。部長はいつも冷静ですが、そのコツを教えてください。離見の見、を意識している、と答えました。能楽大成者の世阿弥の言葉で、後ろで自分を冷静に見つめるもう一人の自分を意識しろ、という意味です。 どこぞのビジネス本に書いてある、ありきたりの言葉に感じ入った彼に、本くらい読めよ!と心で毒づきながらも、なるほど、とメモを取っていた彼が微笑ましく思いました。学ぼうとする姿勢に感じ入りました。 若い頃は上司がとても賢く見えました。畏怖の念すら感じていました。いま、自分がその年になっても。あの時の上司には、いまだ届かない自分がいます。 でも、あの時の上司も、同じ思いだったのかも知れないな、と感じています。自信なんてない、部下を育てるなんておこがましい、でも、なんとかしないといけない。そう思って頑張っていたのではないかと。 人はどこまでも未完成。 自らの伸びしろを信じ、成長したいと念じ、学びたいと思う。その姿に周りの人は惹かれるのだと。そんな人になりたいと思います。まだ、決して遅くはないはず。

かしわ手の先に

年始、近くの神社に初詣に行きました。 鳥居をくぐり、お賽銭を入れ、鈴を鳴らして、かしわ手を打ち、一年の無病息災や心願成就を祈願する、日本人の年始恒例行事です。 しかし、よく考えると、我々は何に対して拝んでいるのか、かしわ手の先には何があるのか、誰も知らないのではないでしょうか。 寺では仏像、教会ではキリスト像、と分かりやすく目に見える形で拝む対象がありますが、神社ではそれが見えない、そして、それを誰も気にしていないようです。 また、そこに祀られている神様も知らないのだと思います。関西の初詣といえば、大阪では住吉大社、京都では伏見稲荷、神戸では生田神社が有名ですが、参詣者で祀られている神様を知っている人は皆無だと思います。 明治初期に来日した欧米の知識人は、ユーラシア大陸の東端に発達した文明に大変興味をそそられたようです。その一人、英国外交官で日本研究者として知られるW・G・アストンは自らの著作にこう書いているそうです。 神道と総称される日本古来からの神様崇拝は、世界の大宗教に比べて決定的に未発達である。 多神論であり最高神がないこと、偶像や道徳律がないこと、霊の概念を人格化しないこと、それを把握するのを躊躇していること、来世の状態を認識していないこと、深く熱烈な信仰がないこと、等々から、宗教としてはとても未発達なのだと。 しかしながら、この未発達な宗教が、文字による記録をもち、醸造・製陶・架橋・採鉱などの技術に秀でた民族と安定した政府の下で、高度に組織化された聖職と精巧な祭儀を有していることに驚いているとも。 明治政府による神道国教化の路線を目撃してきたアストンは、著作の結論で、今の神道の本流は江戸時代の国学者・本居宣長と平田篤胤による「純粋神道」であるとしながら、それはもはや一般民衆に対して活力を有していないとしています。 明治政府の神仏分離令により衰弱状態にあった仏教がその活動を回復しつつあり、さらにより手強いキリスト教の前進を前提として、「国家宗教としての神道はほとんど絶えてしまった。しかしそれは、民間伝承や慣習の中で長い間生き続けるだろうし、日本人の特徴であるより単純でより物質的な神の側面への生き生きとした感受性の中に生き続けるだろう」と結論づけています。 八百万の神とは、森羅万象に神を感じる日本古来の考え方から発した言葉です。そして今では、海の神、山の神の...

美しい日本

昨年の秋、紅葉狩りに各地の名所を訪ね歩きました。 コロナ禍により外国人の消えた観光地は、かつての静けさを取り戻しましていましたが、心のなかでは、この国の最も美しい季節だよ〜、早く戻っておいで〜、なんて呼び掛けている自分もいました。 美しい日本、この言葉が好きです。これは、外国人へのPRコピーではなく、日本人に向けられた言葉だと思います。私たちの国は美しい、皆それに気づこうよ、と。 美しい四季があり、それに応じた文化があり、それを尊ぶに相応しい所作が、この国の人には備わっている。それらを総称して、美しい、と。 海外への旅先、飲食店やホテルでの接客態度の横柄さに戸惑ったことがあります。彼らの考えはおそらく、サービスを提供する側と受ける側とは対等。でも日本人の意識は違います。そのギャップに戸惑ったのではないかと思います。 東京五輪招致活動での滝川クリステルさんの有名なプレゼンテーション。 お・も・て・な・し 当時、彼女の素敵な仕草だけが印象に残った私には、いまひとつピンときていませんでした。日本人が生まれながらに備えている人をもてなす意識が、欧米人を惹きつける、美しい日本の一つなのだと。日仏混血の彼女だからこそ言えたのかも知れません。 明治の開国以来、美しい日本、を発見した西洋人がたくさんいました。 英国人アーネスト・フェノロサはその代表です。明治前期に政府から招聘された文化人ですが、岡倉天心とともに、法隆寺夢殿の秘仏観音像を開扉したエピソードは有名です。廃仏毀釈をへて西洋崇拝の嵐が吹き荒れるなか、見捨てられていく日本文化を拾い集めて再評価しました。日本美術界の恩人とも言えます。 明治初期に来日した西洋の文化人には、一般庶民の住む住宅を見て、木と紙でできた家屋に美的センスを感じた人がいたそうです。 明るく清潔感があり、障子を通して届く柔らかな光や自然素材を組み合わせた家屋が、美しいと映ったのです。それは、森林資源に恵まれ湿気の多い気候風土にしなやかに対応しているだけでなく、高い道徳心と社会秩序により治安が維持されていることが根底にあると感心しています。 美しい日本、を守り育てて次世代に引き継ぐことも、私たちの大切な仕事のひとつだと思います。

ブログ 始めました

日々の暮らしで感じた些細なこと、旅先での記憶に残った風景、心の琴線に触れた言葉、好奇心を刺激された物事。 そんなことを、勝手気ままに落書きしたいと思います。