人はどこまでも未完成

人はどこまでも未完成。

この気持ちを大切にしたい。周りから学ぶ事を忘れずにいたい。そう思えるようになりました。

業務でトラブルを起こした部下に事情を聞きました。彼は、反省の弁を口にしながらも、そうするしかなかった、と吐き出すように言った本音の言葉に、やっと気がつきました。知らない間に彼を追い詰めていた。そうだったのか、俺も気づかなくて悪かった。そう思いながらも、素直に言えませんでした。

最近、営業課長に抜擢された若い敏腕営業マンとの話。

彼は優秀だけど、部下にキツく当たる。本人もそれに気づいているが、どうしたら良いのか分からないそう。彼に問われた。部長はいつも冷静ですが、そのコツを教えてください。離見の見、を意識している、と答えました。能楽大成者の世阿弥の言葉で、後ろで自分を冷静に見つめるもう一人の自分を意識しろ、という意味です。

どこぞのビジネス本に書いてある、ありきたりの言葉に感じ入った彼に、本くらい読めよ!と心で毒づきながらも、なるほど、とメモを取っていた彼が微笑ましく思いました。学ぼうとする姿勢に感じ入りました。

若い頃は上司がとても賢く見えました。畏怖の念すら感じていました。いま、自分がその年になっても。あの時の上司には、いまだ届かない自分がいます。

でも、あの時の上司も、同じ思いだったのかも知れないな、と感じています。自信なんてない、部下を育てるなんておこがましい、でも、なんとかしないといけない。そう思って頑張っていたのではないかと。


人はどこまでも未完成。

自らの伸びしろを信じ、成長したいと念じ、学びたいと思う。その姿に周りの人は惹かれるのだと。そんな人になりたいと思います。まだ、決して遅くはないはず。

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